ＴＨＥ　ＢＩＧ　ＢＩＲＤ　ＣＡＧＥ
　
72年：ニュー・ワールド・ピクチャーズ
監督：ジャック・ヒル
主演：パム・グリアー
　　　 アニトラ・フォード
　　　 キャンディス・ローマン
　　　 テダ・ブラッシ
　　　 キャロル・スピード
　　　 カレン・マッケヴィク
　　　 シド・ヘイグ
　エロティックな女囚ものの典型的な内容で、アメリカ合衆国のＢ級品ながら、実際はフィリピンとの合作のようだ。そのあたりクレジットに名前がないも、シリオ・Ｈ・サンチャゴが制作にかかわった関係だろう。
　まず女囚たちがバナウエの棚田を歩く光景にフィリピン・ロケがうかがえる。あとで田んぼは女たちがぬかるみでとっくみ合いのケンカをくり広げ、泥レス状態になる舞台にも使われる。政治家と性的交渉をもったアニトラ・フォード演じる女性が革命ゲリラの強盗事件に巻きこまれ、陰謀によって無実で収容所へ送られるとき、川をバンカーでさかのぼってジャングルの奥にある収容所へ到着のシーンにはパグサンハンの光景がみえる。
　キャストはアンディー・センテネラ演じる残酷で強欲な所長のもと、女たちを管理する看守がホモとの設定で、この看守をヴィク・ディアスとズバス・ヘレロのフィリピンの性格俳優が演じるほか、ホモにバケて収容所へ潜入のシド・ヘイグ演じるゲリラのリーダーにあたるジャンゴの部下で、女刑務所を襲う計画をジャンゴに提案する革命兵士役に、クレジットが欠落しているも、ロイ・アルヴァレスとロルダン・アキノが顔をだし、収容所の女医役がセナイダ・アマドールといった、フィリピンの俳優陣が脇を固める。
　アメリカ合衆国の観客を意識におくため、セクシーな役どころは白人の女囚役のアニトラ・フォード、キャンディス・ローマン、テラ・ブラッシ、カレン・マッケヴィク、黒人の女囚役のキャロル・スピード、ジャンゴの恋人で、収容所へもぐりこんだ黒人の女囚役のパム・グリアーがにない、とくにアニトラ・フォードとカレン・マッケヴィクは大胆な全裸を披露するも、さほど白人は好みじゃないので興奮しない。またテラ・ブラッシなど、ブズだなあと感じる。
　精神異常をきたす女囚役でマリッサ・デルガドが出演し、実はマリッサのヌードを期待してみたのが本音ながら、意外にも控え目な露出で残念。でも早くも肥満がはじまっているとはいえ、まだ十分に美人だし、破れたシャツから乳輪の半分だけがのぞくのに興奮をくれる。ほかにフィリピン女優ではリサ・ファビアンとウェンディー・グリーンの名前が読めて、ウェンディーは酒を調達する出所直前の女囚役と推測し、そこそこに脱ぐうえ、リサは乳首が丸だしのシャツを着ていたり、ノーパンで寝ころんでお尻の割れ目の先にオマンコがみえそうなショットがあったり、シャツが濡れて乳首がスケスケだったりにウハウハの誘惑をまねく。エキストラ的な女囚たちは、ほとんどがフィリピーナに違いなく、中には真っ裸のものがいる。
　まあ、ローマ時代の奴隷制度を連想させるような収容所の描写がまずまずともいえて、低俗な映画を肯定できるなら、それなりに楽しめる内容かな。
　とにかくマリッサ・デルガドの全裸を欠くのは不満だったと告白したい。

※　この作品は『残虐全裸女収容所』の題名でＤＶＤ発売されたことがある。