ＢＢ．ＢＥＡ　ＢＥＬＬＥＺＡ　　ＢＥＬＬＡＳ
（ミス・ベア・ベレサ　美人）
　
98年：エル・ニーニョ・フィルムズ
監督：セザール・ＳＢ・アベーリア
主演：アルマ・ソリアノ
　　　 イザベル・レイエス
　　　 ジェフリー・ゴンサレス
　　　 キート・ラクソン
　　　 イアン・クロスビー
　　　 オデット・カーン
　　　 ポチョロ・モンテス
　　　 エリック・ユロ
　　　 マリテス・ロパンコ
　　　 ボーイ・ゴメス
　　　 ヴィク・サントス
　アルマ・ソリアノとイザベル・レイエスが主役となると、小粒な添えもの的作品だと思わざるをえない。実際にそうなのだが、ピリリと山椒のようなできになっていればよいのだが…
　残念ながら期待通りとはいかなかった。
　アルマ演じる女性が育ての母にいじめられ、しかも母に連れられて街の有力者の家へ行き、そこで処女を奪われる。ボーイフレンドがその家からの脱出を手伝い、マニラの貧民街に部屋を借りる。しばらくはボーイフレンドとうまくいくも、彼の恋人が乗りこんできて、あっさり裏切られる。
　ようは不幸を背負いこんだ女性の物語なものの、それほど数奇な運命をみせるわけでなく、リアリズムで現実を描きだすわけでもなく、半端な印象に終わっている。
　アルマの隣に住む売春婦がイザベル・レイエスの役で、二人には女の友情が芽ばえてゆく。とはいっても、アルマも生活のために自分を売るといった転落ストーリーではない。まあ、売ることは売るのだが…
　たまたま新しい恋人と出会い、愛を育む話にかわる。
　ところがその彼が以前に自分の処女を奪った有力者の息子とわかり、さあどうする？　と偶然に頼っているとはいえ、ここからドラマティックな盛りあがりを示すのかと思いきや、またまた肩透かし。自己中心的だった母も、思いやりのなかった有力者も改心し、アルマとあっさり和解。みんなに祝福されの結婚式でハッピー・エンド。
　いわゆる浅く心理のうわずみをなぞっただけの、ハーレクイン的な作品といえるだろう。
　アルマはそれほど美人ではないが、なにを考えているのかわからないような雰囲気に、どことなく魅力を感じる。処女喪失のシーンでも、恋人とのベッド・シーンでも裸をみせてくれないが、バーのダンサーとなったときに店でセクシー・ダンスのシーンで、まあまあのセックス・アピールを発している。また二度ある水着のシーンのうち、恋人と遠浅の海の中で戯れる紫のビキニのほうにおいて、オッパイの形やヒップラインを濡れてくっきりと浮きあがらせ、けっこう満足をくれる。
　イザベラも裸をみせていないが、部屋へ客を連れこんだときの黒い下着姿や、バーでのブラをめくってオッパイをだしそうに踊るときの白い下着姿に色気を発散。ただし、あまり美人ではないし、ビキニ姿はイマイチ。
　二人の友人役となるキート・ラクソンのワンピース水着姿も、残念ながら魅力に乏しい。
　なお米国水兵とオカマがつき合っていたり、街で拾った客にイザベラが暴行うけて入院のシーンには、フィリピンの社会風俗的なおもしろさを感じさせた。