ＢＡＷＡＬ　ＭＡＨＡＬＩＮ　　ＢＡＷＡＬ　ＩＢＩＧＩＮ
（愛してはいけない　好きになってはいけない）
　
97年：グッド・ハーヴェスト・アンリミテッド
監督：ジェー・ジェー・カブレイラ
主演：ステラ・ルイズ
　　　 エミリオ・ガルシア
　　　 ダン・フェルナンデス
　　　 リタ・マグダレナ
　　　 リト・ピメンテル
　まあ、しょーもなくて、声がでない。
　ステラ・ルイズ演じる妻の元に、サウジ・アラビアへ出稼ぎに行っていたエミリオ・ガルシア演じる夫が帰ってくる。向こうでチンポを暴行され、エミリオがインポになっていたため、ステラは欲求不満に。近所でクリス・ダルス演じるエミリオの父と一緒に自動車修理工場を営んでいたダン・フェルナンデス演じるエミリオの友人が、ステラによこしまな欲望を抱いている。
　出稼ぎという長期不在の間に妻が親友とできてしまうとの設定なら、まだドラマがあるも、エミリオの帰還後にダンが誘惑とは、あまりにもヘン。
　リタ・マグダレナ演じるエミリオの妹がダンのことを好きで、四角関係が成立。さて、どうなるかと思うも、ダンがステラを無理やり抱くところはナイフで脅していて、純粋な愛欲劇じゃないのね、との不安を誘発する。
　始まり近く、ダンが偶然、酒場でリト・ピメンテル演じる旧友と再会のシーンでは、からまれた連中とケンカを繰り広げ、暴力的な見せ場をあえて入れるなよ、と感じさせたのだが、どうやら本質はヴァイオレンス映画かもしれないぞ、との予感がもたげてくる。
　友だち関係だったはずのリトがダンの不倫を目撃や、ダンを脅し、あげくはエミリオが留守だったとき、ステラとリタがダンをめぐってケンカになったのをクリスがとめ、そのとき現われたリトがクリスを刺す。
　あとは強盗化に転じたリトの一味がダンとステラを連れ去り、銃をつきつけて縛る。エミリオが救出のために銃を準備し、うまく拘束から逃れたダンも銃をだしてくる。結局は殺人の話なのね、とバカにするやら、あきれるやら…
　フィリピン映画のドンパチ志向には困ったものだ。
　低次元すぎて、まともに相手できない。
　これでステラとリタのセクシーさが爆発ならば、まだ文句のないものを…
　ステラは冒頭の、クリスが義理の娘を犯すのかとハラハラのあと、シーツをかけただけだったというシーンで、眠っているポーズの黒いスリップ姿がつくる腰のラインが色っぽい。でもシャワーを浴びるときは下着のままだし、肩から上で画面が切れていて、貼りつく全身がないのにアレレ。ダンが悩殺をうけるのもシャワーの直後だが、ついにステラはバス・タオルをボディーに巻いたまま。ダンにナイフでタンク・トップの紐を切られるシーンでも肝心の露出はなく、正直いってブスっぽいステラながら、全裸の誘惑を期待しただけに残念無念。
　リタは一応、ダンに迫るシチュエーションでオッパイの堂々丸だしショットがあるも、一瞬すぎてオイオイオイ。こんなチラチチじゃ、かえってイライラしちゃうよお。
　ダンがリタのアタックにステラのイメージがダブってみえるシーンで、ステラとリタの顔がフラッシュ・バックし、どう考えてもリタのほうが美人なのに、ステラに夢中との構成も説得力を欠く。
　女優の魅力すら決定打とならないわけで、見どころなしのカス映画。
　サイテー！