（ＧＵＳＴＯ ＫＯＮＧ ＢＵＭＡＥＴ ＰＥＲＯ ＤＩ ＫＯ ＭＡＧＡＷＡ）
（バタンガスの女 カビテの男 やさしくしたいけど、そうできない）
95年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：フェリックス・ダライ
主演：レオ・マルティネス
アンジャネット・アバヤリ
ディンディ・ガリアールド
ダニー・“ブローニー”・パンサリン
ラモン・クリストファー
ベルティン・ラブラ
ラフィー・ロドリゲス
ロルダン・アキノ
ジェシカ・ロドリゲス
くだらないセックス・コメディーが大好きで、とくにフィリピンのものはヘンに人情をまじえて泣かせる要素を加えない点がよい。あくまでバカに徹してくれる。
これはタイプの女優であるアンジャネット・アバヤリとディンディ・ガリアールドがセクシー要員で出演しているから、とにかく見逃せない作品。
ベン・セグミットとジョシー・ガルヴェス演じる夫婦が男の子を生む冒頭は、本物の出産直後のへその緒がついた赤ん坊を登場させ、妙にリアルで、ドタバタ劇として感心しない。男の子は女性を磁石のように引きつける魅力を持っているとの設定で、なぜか意味もなくモテまくるわけである。大きくなってレオ・マルティネスが演じるようになると、どうみてもダサい小男のレオが美女たちを翻弄のおかしさを狙ったことがわかる。
ＡＪ演じる女性と結婚するも、相手のほうからモーションをかけてくるので浮気ばかりの日々。というわけで、エッチなシーンがいくつか挿入ながら、いずれも女優が二線級だし、露出も大切な部分がみえないので、どうもイマイチの展開。グライデル・メルカド演じるレオの友人の妻だけ、シャツのボタンをはずしてオッパイがのぞきそうになる格好や、ブラをとってセックスのところで視線を奪ってくれるが、やはりオッパイをださずじまい。
ＡＪが情事の現場を発見するとショット・ガンをバンバンぶっ放してくる恐妻なのは、いかにもぴったりのキャラでクスクスもの。
レオが「絶対に浮気しません」と宣誓のうえに仕事でマニラへ行ってからが、いよいよ楽しませてくれる。住居となるアパートへきてみるや、ちょうどミシェル・パートンとアナ・マッティ演じる隣人の女性二人が水をかけ合っている。とくにアナのほうは、くっきりと乳首がスケちゃってるじゃないか。ウワーッ。
あとでミシェルとアナは忍者の衣装でレオの寝室へと忍んでくるシーンがあるのだが、音楽に乗って踊りながら覆面をとり、次々と着物を脱いでいくと、中はハイレグのビキニ水着。ミシェルの花柄がなかなかなものの、アナの青い単色はボディー・ラインがくっきりで、いやがおうでもそそってくる。それで画面に向かってお尻を突きだしてレオに迫るショットが長めに続くから、こりゃあ、我慢できない。ただレオがシャワーで愛撫の幻想を抱くシーンでのミシェルとアナは、白い衣装が貼りついてなくて、ちょっといただけない。
ミシェルにはラモン・クリストファー演じる恋人がいて、ラモンのビジネス・パートナーがロルダン・アキノ演じるプロモーション会社のオーナー。ディンディ演じるのがロルダンの恋人で、いつまで経っても約束した日本へ送りだしてくれないから不満をぶつけている。ひょっとしてあなたは騙しているだけで、犯罪者なんじゃないかとも。
映画は日本だけでなく、サウジ・アラビアやブルネイなど、やたら女からも男からも出稼ぎの話題をかわす台詞が聞こえるのが興味深い。
たまたま痴漢に襲われているディンディをレオが救い、アパートへ連れこんでセックスになる。そこへマニラへきていたＡＪが現われ、ディンディが逃げだした様子をラモンが目撃。ロルダンの知るところとなってレオを誘拐し、チンポに爆弾をつけるクライマックスへ。
振動がとまると破裂の爆弾だから、レオがギリシア神話にでてくる神々のような衣装で街の中を走りまわり、ＡＪたちが助けに向かい、レスキュー隊が出動に、まったくアホな話の典型。これで爆笑できるギャグが二つとはいわないから、一つでも盛りこまれていたらそれなりに評価するのだが、残念ながらネタが空まわりばかり。
貧困なスラプスティックだ。
また期待のセクシーさのほうは、ＡＪがパレオをボディーに巻いているくらいで、まったく見せ場がないからどうしたことか。
ディンディはプールでビキニの披露をくれて、やっぱりいい女だなあ、とうっとり納得。セックスで服を脱ぐときにシルエットに変わってしまうのは不満ながら、とりあえずよしとしよう。
ＡＪ＝完全なる沈没、ディンディ＝半分の興奮でも、ミシェルとアナがイカせてくれたため、一応はみてよかった作品なわけだ。
あとアマゾネスのような女たちにレオがやられる夢をみるとき、ジェシカ・ロドリゲス演じるリーダーがスケスケのガウンの下に白いビキニで誘惑してくるうえ、やはりお尻を突きだすポーズで燃えさせてくれた。
