ＢＡＫＩＴ　ＢＡ　ＧＡＮＹＡＮ　　ＥＷＡＮ　ＫＯ　ＮＧＡ　ＢＡ，　ＤＡＲＬＩＮＧ
（なぜこうなの　知らないわよ、ダーリン）
　
00年：ミレニウム・シネマ
監督：トニー・Ｙ・レイエス
主演：ヴィク・ソット
　　　 ディーナ・ボネヴィー
　　　 メリッセ・“ムマイ”・サンチャゴ
　　　 ベルナルド・パランカ
　　　 カリダッド・サンチェス
　　　 ペペ・ピメンテル
　　　 アイアイ・デラス・アラス
　　　 ララ・ファブレガス
　トニー・Ｙ・レイエスによるシチュエーション・コメディー。ヴィク・ソットとデーナ・ボネヴィーが離婚した夫婦を演じ、メリッセ・サンチャンゴ演じる小学生の娘を双方が交互に引きとり、親子の交流をはかっている。ヴィクはディーナに未練タラタラで、メリッセは両親をなんとか和解させたい。ＤＪをつとめるディーナにベルナルド・パランカ演じるラジオ局のオーナーの息子がいいより、ヴィクは気が気じゃないとの設定。メリッセの学芸会でヴィクが写真撮影にジャマなチア・プシット演じるオバサンの髪の毛を引っぱる冒頭のギャグからアクの強い作品かと予想したが、わりとおとなしめだった。
　ベルナルドがプレゼント攻勢でメリッサに取りいろうとし、ヴィクがイライラ。ディーナに無理やり迫ったベルナルドが嫌われる。
　一方、ヴィクのほうも美容整形の医者で、オカマの助手のところへやってきた従姉妹という女性を口説き、ラナ・アサニン演じる一人目とはレストランへ食事にでかけるも、ディーナとベルナルドのデートにはち合わせ。ララ・ファブレガス演じる二人目とはその気になり、ペペ・ピメンテルとカリダッド・サンチェス演じる両親の後見人へ紹介したりする。
　たまたま酔ったときにヴィクとディーナがセックス。しらふの翌朝、ディーナが後悔にかられるばかりか、妊娠のうえに流産。ペペの入院といった悲しいエピソードを違和感なく喜劇に盛りこむ構成はなかなかながら、ベルナルドがメリッサを連れ去るクライマックスがかなりいただけない。ヴィクがディーナの番組へ電話するのも三回はくどく、二度にとどめておくべきだったのではとの印象もあって、全体的にイマイチ。
　アラン・Ｋ演じるオカマの患者の鼻が手術後につぶれたり、ロベルト（ロング）・メジア演じるソムリエ兼もてなし係のヘタなヴァイオリンなど、ナンセンスも冴えない。
　まあ、メリッサが初潮になるシーンで、階段から跳びおりるおまじないがでてきたり、ヴィクよりもメリッサのほうが落ち着いているのが愉快だし、アイアイ・デラス・アラス演じるヴィクの後妻を狙ううるさい看護婦が濃いキャラでコメディエンヌぶりを示すこともあって、みかたによっては楽しめる内容。
　それにディーナが実にかわいく、こんなおばさんとなら結婚も悪くないなと思わせるのが、映画自体に相当な魅力をプラスしている。ベッド・シーンはハダカじゃないとわかっていても、シーツに包んだ胸元にゾクゾク。
　ディーナの姉を演じるジーン・サブリッツも中年女性の色気を漂わせる。
　あとララとラナは顔みせ程度ながら、一応、美人ぶりは伝わってくる。とくにラナは陰毛もバッチリのヌード写真を思いだし、あのナイス・ボディーをおがみたかったなあと妄想が脳裏にモヤモヤ。
　ヴィクにモーションをかける女性役にボーイッシュなジョアンヌ・ミレルが出演し、ミニスカの太腿とＶ字シャツからのぞく谷間が意外とおいしそう。
　とりあえずは、女優陣というみどころがあったようだ。