ＢＡＧＯ　ＭＡＴＡＰＯＳ　ＡＮＧ　ＬＡＨＡＴ
（すべてが終わる前に）
　
91年：セイコ・フィルムズ
監督：ホセリト・“アボ”・デラ・クルース（アボ・Ｑ・デラ・クルース）
主演：リタ・アヴィラ
　　　 グレッチェン・バレート
　　　 エリック・キソン
　　　 ロセル・アガナ
　　　 マリオ・Ｊ・サルセド
　　　 ガルド・ヴェルソサ
　四角関係の愛憎劇で、リタ・アヴィラとグレッチェン・バレートの顔合わせ。パブロ・Ｓ・ゴメスのスーパースター・コミクスの原作をもとにセグンド・マチャス・ジュニアとラルストン・ジョヴェルが脚色にあたり、ホセリト・“アボ”・デラ・クルースが監督している。
　結婚式を中心に、前半はリタのファッションがみどころ。グレッチェン演じる若き女性会社役員のところへ、リタ演じるアメリカへいっていた従姉妹が戻ってくる。さっそく下品な性格をにおわせるリタは、ブラとスカートのかっこう。グレッチェンの部屋へきてベッドの上を下着で跳ね、黒いボディー・スーツのアンダーウェアーにガーター・ベルトがそそる。グレッチェンもスリップから太腿をみせる。エリック・キソン演じるフィアンセとの結婚をひかえるグレッチェンは婚礼の準備をすすめ、マニー・カスタニェーダ演じるオカマのスタイリストのウェディング・ドレスをリタがバカにするとき、リタは黒いミニスカの衣装。グレッチェンとディスコで騒ぎ、ガルド・ヴェルソサ演じる男に目をつけて男子トイレへ忍びこみ、強引にセックスはラメのボディコンが色っぽい。グレッチェンがめまいを起こしがちで、アーチー・アダモス演じる医者へ同行のシーンは、ヘソの部分が露出する形のワンピース。脳腫瘍とグレッチェンが診断をうけ、ショックをなぐさめるときはジーンズと肩のあいたシャツ。エリックとグレッチェンのセックスへと続いて、ほとんど肌が隠れたままのあと、エストレリア・クエンスレル演じる知人宅の田舎へグレッチェンが静養へでかけるのについていくリタは、黄色いピタパンを披露する。田舎の庭で寝ころぶリタとグレッチェンのハンモックにマリオ・サルセド演じる青年がきて、リタはわざとシー・スルーぎみの赤いワンピースから太腿をチラつかせ、マリオをおだててブラとスカートのグレッチェンとツー・ショットの写真を撮る。ひとりマニラへ帰ったリタは青いピタピタのジャージ姿。ＴＶで『危険な情事』をみるシーンをはさみ、エリックへグレッチェンが浮気していると写真をわたすときは普通の服だが、荒れるエリックに不良どもを雇って暴行させ、手当てで誘惑のリタは音楽をかけ、軽くストリップにきょうじる。えんじのワンピースを脱いで、黒いブラとパンティーがスケたスリップが視線を引きつける。マリオにはロセル・アガナ演じるガール・フレンドがいて、グレッチェンにマリオがイカれそうな不安をアルマ・レルマ演じるマリオの母に訴えると、ごう慢なアルマに水をかけられるものの、ロセルの乳首が貼りつかないのは惜しい。さらにリタは赤いシャツと白いミニスカでエリックに接近のうえ、ホテルで立って抱き合い、黒いボディー・スーツの下着でお尻をもまれる。エリックの手がリタのお尻の割れ目をなぞり、左右からお肉をつかむアップにそこそこ興奮。セックスを終わってリタはシーツをボディーに巻き、シャワーを浴びる。レイ・ヴェントゥラ演じる田舎の医者に診察をうけたグレッチェンは、脳腫瘍じゃなく、妊娠と判明。リタがマニラへ戻ってみればルーベン・ルスチャ演じるビジネス・パートナーの叔父からリタとエリックの結婚を知らされ、式場でリタにビンタすると、リタが勝利の皮肉をいう。エリックとリタは泡風呂に入るが、さすがにリタの乳首はみえずじまい。
　後半はコスチュームのおもしろさが薄れてドラマ主体へと変わる。グレッチェンとルーベンがアーチーを問いつめるや、リタに頼まれたと白状。ロセルはマリオに愛を打ち明けるも、マリオはグレッチェンが忘れられない。建築技師のエリックは仕事が忙しく、リタが不満をぶつける。浴室でリタがエリックにフェラチオするのは、顔の表情をとらえた暗示のみ。グレッチェンが出産し、他人の子をと失意のマリオにロセルが迫るシーンは、けっこうやってくれる。白いスリップにロセルの乳首のポッチが浮かび、パンティー一枚になって、ハミケツの全身をうしろからとらえる。セックスでは乳首がのぞく寸前まであらわにし、シーツを巻いた半裸もあり、ややかわいいかな程度の容貌だが、ロセルに拍手。身体をあげてもまだグレッチェンへの思いが振りきれないマリオにロセルが嘆き、川で洗濯中に通りかかったマリオへいいよるロセルは、白いスリップがじゃかんスケスケ状態を招く。赤ん坊を連れてマニラへ帰ったグレッチェンはジーンズがキュート。エリックへ電話を入れると、リタへの失望から愛が冷めたエリックが喜ぶ。パーティーでグレッチェンがマリオをエリックに紹介で嫉妬をあおれば、リタが現われてもめる。マリオがエリックの事務所を訪れ、グレッチェンのためにリタの陰謀をすべてバラすや、エリックがリタを責めて追いだし、完全に別れを決める。リタが黒いストッキングを太腿へとはいていき、黒いワンピースのジッパーを閉めるのは、後半で唯一の着衣の魅力。ありきたりな殺人劇へと発展するのかと予想がめぐれば、ビルの屋上をふらつき、グレッチェンとエリックが飛び降り自殺をとめようとあせる。いざ説得がうまくいった瞬間、グレッチェンを突き落とそうともがいたリタが、反対に勢いあまって自らが転落。全編にどこかで聞いたことのありそうなメロディーのピアノ曲でベニー・メディナの音楽がまずまずのムードを醸していたが、サスペンスの盛りあげに『サイコ』のシャワー・シーンのフレーズをパクるのはマジでシラける。
　というわけで前半はリタ、後半はロセルがセクシーだったものの、一番美人のグレッチェンがイマイチで、つまりは映画全体がパワー・ダウンの印象。正直なところくだらない内容なんだし、せめてグレッチェンが輝いていればだが…
　期待はずれのチャンチャン。