ＡＲＡＹＹＹ
（痛い！）
　
00年：セイコ・フィルムズ／アヴェーラブル・ライト・プロダクション
監督：ドン・エスクデロ
主演：ニニ・ハシント
　　　 アナ・カプリ
　　　 ロデル・ヴェラヨ
　　　 レオナルド・リットン
　　 　シモン・イバラ
　女学生が売春へと走っていく過程を描く内容で、遊ぶカネほしさというどこかの国のアホ・ギャルたちと違い、生活にせっぱつまっての実態が明らかになる。
　ニニ・ハシント演じる主人公は、ファースト・フード店でアルヴァイトをしながら勉学に励んでいるも、家庭の台所は火の車。家賃を滞納して追いだされ、小さな部屋へ移るだけでなく、ルビー・ソルメラノ演じる母が過労から倒れて入院。学費もつきて退学寸前に。マニー・カスタニェーダ演じるブローカーが売春婦たちを指揮っている様子を店内でみていたのだが、ついにマニーの誘いに応じてしまう。
　ニニとルビーが裁縫の内職を始めるも、ジュスティン・モレノ演じる弟がゴロゴロしているのは、いかにもフィリピンっぽい。パーリー・チャリー演じるニニの同級生はアメリカへ出稼ぎに行っている家族の仕送りを受けていて、相変わらず労働力輸出で成り立っているフィリピン経済がうかがえる。マニーがオカマなのも、夜の商売にありがちな図式。
　シモン・イバラ演じる顧客へ処女を捧げたあと、ニニがサーヴィス皆無のマグロばかりなのは、親に連れられてきた童貞の少年とのセックスを含め、悲しみを強調するあまりのフィクションに思える。売春の事実がバレてルビーに追いだされ、乱交パーティーで再会したシモンに愛人として囲われる展開で、大きなアパートへ住み、本当ならここで家族がカネをたかるようになるのが現実に近いかな。シモンのことを純粋に好きなのは、本名を教える心理からにじませてくる。ジャッキー・カスティリエホ演じるシモンの妻が現れて大もめになり、精算のツメがシモンとジャッキーの交通事故とは、ちょっとご都合主義だろう。
　結局はルビーの元へ帰って和解し、ニニは電話オペレーターとして就職。売春の事実を告白しても愛してくれたのに、めかけになったために別れていたロデル・ヴェラヨ演じる恋人と復縁だから、無難にまとめた印象なのはぬぐいきれない。
　でもドン・エスクデロ監督、ホセ・ハヴィエール・レイエス脚本のコンビはさすがというか、アナ・カプリ演じる先輩売春婦のエピソードを並行して盛りこみ、よくふくらみを与えている。
　アナはスレきったごう慢な女として登場し、レオナルド・リットン演じる交際相手が両刀使いのホモだとわかっても、笑ってすませるヴェテランぶり。一方でルスティカ・カルピオ演じる寝たきりの祖母がいて、やさしく介護のあたりに人間性をにじませる。父親不明の子を妊娠し、レオナルドは同性愛仲間と香港へ出稼ぎに出発、と不運なアクシデントに次々とみまわれる。闇医者を訪ねて堕胎のシーンは、血がしたたってくる描写が気持ち悪いくらいリアルで、アナの悲しみが痛烈に伝わってきて、さすがドンの演出と感嘆。
　まあ、実はレオナルドがマニラにとどまっていて、再び一緒になる甘さへの逃げは作者たちの思いやりと解釈するも、こちらの話まで安易なエンディングを選んだかとの惜しさが残るのはしょうがないか。
　不満な要素は多いものの、厳しい社会背景を踏まえた青春ドラマとして評価したい。
　売春婦という設定なので、ニニが脱ぎまくるのは、素直に嬉しいところ。シモンにヴァージンを奪われるシーンで「脱げ」といわれ、恥ずかしそうにブラをはずしてオッパイ丸だしを正面から堂々と撮っているのに、いきなりスゲーッ。シモンが手のひらで乳房をタプンタプンと愛撫すると、押してもはね返りそうな弾力性のある質感までがうかがえる。パンティーをおろすと、お尻なめの構図でシモンがオマンコをさわるポーズが大胆すぎる迫力。天井につけられた鏡へカメラが向くと、陰毛までチラッのニニが全裸で立っているじゃないか。ロデルとのセックスでは、ニニの乳首をチュッチュッとロデルが吸うショットが素晴らしく、乳首のウルトラ・ドアップに生つばゴックン。ロデルの鼻先が乳首にふれると、かわいい乳頭がプヨプヨっと動くからたまらない。並んで寝ている姿を真上のアングルでとらえたオッパイみせにもカッカ興奮する。シモンに誘われるようになり、セックスを重ねる状況に発展後は、女性上位から正常位へと動くベッドでオッパイをペロペロされ、グニュグニュにもまれながら挿入の激しい腰つきがリアル。シモンが独占契約を考えるきっかけとなる、朝まで一緒じゃなく、終わって帰ろうとするときのオッパイ・プラプラもキャーッ。 愛妾になってからは、シモンに「奥さんをみかけたよ」と話しながらの混浴で、バス・タブからニニのオッパイがチラチラ。
　いやいや、いっぱいのサーヴィス精神に感謝感激。
　アナは好みのタイプをはずれる女優だが、ヌードの披露はニニ以上になっている。レオナルドとのセックスで四つんばいのポーズをとりながらバックからのピストン運動にあ然なうえ、水着のあとが残るオッパイが視線を奪う。続いて途中で心臓発作を起こす老人など二名との客とや、アーチー・ヴェントサ演じるパパとのセックスでも、パンティー一枚や全裸でオッパイを隠そうともしないため、ちょっとみせすぎじゃないの、と声がでるほどのおおっぴらさ。つわりで吐くシーンは二度あり、黒いＴバック下着と全裸であわらにするお尻の形がなかなか。
　あと売春婦仲間を演じるアキ・サバルテに肌をだすシチュエーションがないのはイマイチと指摘したい。もう一人、けっこうかわいい子（エリア・ベルナル？）がいて、こちらもヌードがみたかった。