ＡＲＡＲＯ
（鋤）
　
10年：レオ・フィルムズ・プロダクション
監督：アレハンドロ・“ボン”・ラモス
主演：パオロ・リヴェロ
　　　 ジェフ・ルナ
　　　 ロレイン・ロペス
　ロレイン・ロペス主演のセクシー作。
　田舎に暮らすアンドイ（パオロ・リヴェロ）とエレナ（ロレイン）の夫婦は、農業や漁や牧畜で素朴な生活を営む。そこへ訳ありの男が行き倒れになる。好意で助けるや、ちょうどアンドイがわき腹と脚の痛む奇病にかかり、その男のスティーヴ（ジェフ・ルナ）が農作業などを手伝って住みこむ。アンドイの不調でセックスできず、欲求不満のエレナがスティーヴに性欲を抱き、やはりエレナに引かれるスティーヴとセックス。
　とありきたりな三角関係ものながら、スティーヴがマニラのコールボーイで、ホモ売春のこじれによる殺人で逃げている。エレナとスティーヴの性交現場をみたアンドイが泣くも、自らスティーヴに迫り、同性愛に発展の図式がフィリピンっぽい。
　やがて三人で愛し合ったすえ、スティーヴが去って元の鞘の話。
　エレナがアヒルに餌をまき、ナスを収穫し、アンドイが木を切り、水牛に餌を与え、川の浅瀬の泥地で魚を採り、エレナが清流の川で洗濯や、二人が耕運機で礼拝場へでかけ、手伝いのスティーヴが牛車に荷を積む生活のもようが興味をかきたてる。痛みが走るアンドイに村の年配の男性が治療で薬草を貼り、まじないを唱えるようすもおもしろい。
　でも低レヴェルな表現だし、アンドイがスティーヴを殺す幻想や、まじないの男にスティーヴの死が浮かぶ暗示に効果が薄く、バカバカしさの印象のみが残る。アレハンドロ・“ボン”・ラモスに才気ゼロ。
　ほとんどあってないような筋だてはボン・ラモスの脚本で、ストーリーに表記のシクスト・デーは、いったい誰なのかと思ったが、エンド・クレジットにはセザール・アキノと書かれる。ちなみにロレイン・ロペスもエンド・クレジットでロレイン・レイエスと間違って平気ないい加減さがフィリピンと苦笑い。
　期待はロレインのヌードのみながら、困ったことに、こちらすらも男優のほうが目だってゲーッ。
　モノクロがカラーに変わる冒頭で蚊帳の中に寝るアンドイとエレナが全裸で、パオロ・リヴェロのお尻がジャマだが、ロレインの肉感的なお尻に視線を奪われるも、これ以上の露出があとにでてこない。清流の水が透明なため、真っ裸がスケてみえる泳ぎはアンドイのみでエレナがいず、蚊帳の中でセックスはパオロとともにロレインのお尻があらわなのに、終わった翌朝にアンドイがパンツをはくショットでパオロのアヌスがのぞく寸前に対し、ロレインは白いスリップを着るのみ。スティーヴの介抱でジーンズを脱がせ、ジェフ・ルナのパンツ一丁が気持ち悪いなら、アンドイをエレナがフェラチオの音を聞いてスティーヴがオナニーで、わざとピントをぼかして曖昧にうつすも、ジェフのチンポが丸だしになる。スティーヴの清流での泳ぎは、やはり透明の水面にジェフのチンポがスケる。この真っ裸をこっそり岩陰でながめるエレナがオッパイをもむもだえはワンピースのままなうえ、蚊帳の中でパンツ一丁のアンドイと寝るシーンにつながり、エレナの白いスリップにロレインは黒いパンティーをチラつかせるにとどまる。川でスティーヴに襲われるエレナの願望の幻想はジェフのお尻が迫るばかりか、エレナが全裸になっての愛撫が遠景で、アンドイが気づく現実に変わってもジェフのお尻を優先にロレインの裸体が隠れたかっこう。ただしエレナがスリップを脱ぐ前の、濡れてバストにペタペタのロレインのスケ乳首は魅力的。アンドイの蚊帳をでてスティーヴの蚊帳に入り、エレナがスティーヴに拒まれるとき、ロレインはスリップ姿をとおす。一方でスティーヴの出発をアンドイがキスでとめ、真っ裸のホモのちちくり合いはパオロのチンポとジェフのチンポのつけ根がみえそうで悪寒が走り、アンドイとエレナとスティーヴの三人プレーはパオロがパンツ一丁、ジェフが全裸で、ロレインが黒いブラと白いパンティー。黒いブラにロレインの乳輪がハミでるのが色っぽいも、素っ裸に脱いだロレインのボディーをちゃんととらえない。またスティーヴが去ったと知って泣くエレナの白いスリップにロレインの黒いパンティーが浮かぶが、スティーヴの思い出のリンゴをかじってアンドイとエレナが並んで寝転ぶ床でパンツ一丁のパオロとともにロレインはスリップのまま。
　男二人の全裸に比べ、誘惑的なロレインの大胆なボディーのアップを欠き、かなりの不満が残る。
　カニの入っていないカニ・チャーハンみたいな作品か。