ＡＮＧ　ＫＩＬＡＢＯＴ　ＡＴ　ＳＩ　ＭＩＳＳ　ＰＡＫＩＰＯＴ
（怖がりがちょうとミス不機嫌）
　
98年：カナリー・フィルムズ
監督：ダンテ・パンギリナン
主演：ロンメル・パディーリア
　　 　リタ・マグダレナ
　　　 ジョージ・エストレガン（ジュニア）
　　　 カトリナ・パウラ
　　　 レーイ・ロルダン
　　　 ジミー・コンセプション
　　　 ロセンダ
　　　 シーラ・サンチェス
　アクション映画というよりも、犯罪がらみの貧民街模様といった感じ。リアリズムで人間描写するわけでなく、かなりバカバカしいレヴェルながら、ちょっと楽しめないこともない。
　ロンメル・パディーリア演じる主人公がゴミゴミした下層のエリアへジミー・コンセプション演じる友人を訪ねてくると、いきなりレーイ・ロルダンなどが演じる男たちにからまれる。無理やりケンカのシーンを持ちこむ見せ場づくりの常套手段。ヒル・カリノ演じるバランガイ議長が仲裁し、このバランガイというフィリピン特有の集団統治システムが本作のポイントになっている。それにしてもあとでまたケンカの登場に、フィリピン映画は現実と違ってホントよく殴り合うなあ、とあきれるも、ロンメルが相手をやっつけるときに周辺の店を壊しているから、一体誰が弁償するんだろう…　実際、迷惑をかけちゃいけないのに、フィリピン映画はいつもあとの保障問題を曖昧なままにすます姿勢が不愉快。
　なんて点にはとりあえず目をつぶり、ロンメルはジミーと一緒に水道が完備されていない各家へ水を配達するビジネスを開始。イイ男だからモテモテで、届けた先のスーザン・コルプス演じるおばさんから「背中を洗って」と迫られたり、ロセンダ演じるお姉ちゃんにいいよられたり…　一方のジミーはオマケのようにロンメルにくっつきながらいきがり、一応のコメディー・リリーフをはたしている。
　近所にはカトリナ・パウラ演じるディスコ・パブのダンサーが住んでいて、なかなかのカワイコちゃん。さっそくロンメルにぞっこんでアタックする。もう一人、リタ・マグダレナ演じる美人がいて、いつもピリピリ怒りまくるお高い性格で、とても簡単に落とせるようなタマでない。この気が荒いリタとロンメルが次第に結ばれていく過程がストーリーの根幹なのはいうまでもない。
　ジョージ・エストレガン演じるカトリナの顧客が、リタに引かれて口説こうと接したらあっさり断られ、かえって舞い上がる。高級車でリタの家まで乗りつけるのだが、もう夜なのに子分が日傘を頭上へ差しだしている光景など、やはりお笑いの要素を中心にすえたキャラクター。リタやカトリナをめぐってロンメルとドタバタばかり…
　バランガイにはシャブがまん延し、これをみんなで排除するのが二つ目の根幹。カガワドと呼ばれるバランガイ委員会のメンバーが巡回で、警察と協力して取り締まるシステムがフィリピン社会をうかがわせて実に興味深い。
　妻を人質に暴れる男を巧みにとめるなど、その行動力を議長に買われたロンメルもヴィク・フェリペ演じる刑事へ協力となる。怪しく描かれていたレーイが売人かと暗示しながらも、やはり意味深だったジュン・ヒダルゴ演じるバランガイ・メンバーが犯罪組織へ通じていたと判明。レーイは無罪だった、との構成はまずまずかな。たまたまジュンたちのクラッシュ現場に居合わせたロンメルが追跡のすえに敵の車を吹っ飛ばすエピソードが、唯一アクションっぽい部分。
　夜に議長が指令をだすとカガワドたちが各家をまわり、バランガイの住人全員を教会へ集めるクライマックスが、いかにも助け合い社会を根底に置くフィリピンらしい。ニック・アラディン演じるジョージの伯父が黒幕で、ジョージが主犯。アリエル・レイエス演じる腹心など、悪の一味を警察隊と一緒にみんなでせん滅させる。ロセンダにからんでロンメルにこらしめられたボーイ・ゴメス演じる男なども、間違って味方を殴ってあわてるズッコケ役ながら、ちゃんと一員として戦っているあたりが好印象。最後はまだ幼いリタの妹をジョージが人質にとり、ロンメルがシャブで半分いかれるジョージを言葉でうまく乗せて妹を放させ、一対一のファイトを繰り広げて終わり。確かにハラハラのサスペンスを欠き、パッとしないもの足りなさが残るのは否めない。変態っぽいジョージの演技が彼の得意なパターンながら、いささか鼻につきすぎる異常さなのも減点。
　でもリタの妹とロンメルが交流し、うとうと眠ってしまった妹をリタの祖母に届けるエピソードなど、けっこうほんわかしたムードを漂わせ、ダンテ・パンギリナン監督は視線の置きかたがやさしいなあ、とのイメージにも。
　こんなものまでホメるかふうな声があるかもしれないが、まあいいんじゃないか。
　目的であるリタのセクシーさは、もちろん期待を裏切っていない。ロンメルが運んできた水で体を洗うシーンで、外部に設置されたビニール・シートを囲っただけの浴室へ入ると、木に登った男が二人のぞく中、リタはＴシャツとパンティーという格好になるとしゃがみ、水をバシャバシャかけていく。それはもう、ピッタリ濡れて貼りつき状態でスケスケ。石鹸をぬると、Ｔシャツの内側に手を入れてオッパイをモミモミ。パンティーの中にも手を突っこんでお尻の割れ目や陰毛のあたりをゴシゴシ。ヒシャクで再び肩から水をかけ、パンティーをめくって水をタラタラタラ。正直なところ全裸よりも挑発的。ついにロンメルがリタを押し倒すシーンでは、ベッドでオッパイが…　いつになくリタにしては大胆さを抑えているものの、ムズムズ興奮させてくれる。欲をいえばラストのロンメルとのデートは海岸だから、水着になってほしかった。
　カトリナはさらにミセミセの連続で、登場シーンからしてスリップ姿なうえ、ジミーに水をこぼされてオッパイが浮きあがる。ステージではフリルのついたビキニでダンスし、イマイチ好みの衣装じゃないぞと不満なのだが、ちゃんとブラをはずして乳首をチョロみせでオーッ。ロンメルを誘惑するシーンになると、赤いブラをとって、うしろからのショットながら、横チチがポロン。ジョージとのセックスではレースの下着のまま騎乗位の形で、ジョージが黒いパンティーに手をズルズルッとねじこんではぎとろうとする。バストがあらわになると、画面下にアップの乳首が…　とウハウハなものの、いずれもチラチチのみ。二回目のステージがやってくれる。黒いワンピース水着の衣装は光沢でボディーにフィットし、それだけでもタイプだからビンビンなのに、片方のオッパイをモロだしサーヴィスでアッと驚かせ、しばらくずっとみせっぱなし。ウヒョヒョヒョヒョ。カトリナ、エライ。
　あとシャブ・パーティーの現場を警察が踏みこむシーンでシーラ・サンチェス演じる女がラリるとストリップを始め、パンティー一枚まで脱いでお尻に食いこませ、オッパイを堂々の全開でプラプラ。
　ロセンダはロンメルとの愛撫で、スリップから太腿がでるまでの露出だった。