ＡＮＧ　ＢＯＹＦＲＩＥＮＤ　ＫＯＮＧ　ＰＡＲＩ
（私のボーイフレンドは司祭）
　
99年：ＥＤＬプロダクションズ／クリスタル・フィルムズ
監督：ロン・リック
主演：ロニー・リケッツ
　　　 ヴィーナ・モラレス
　　　 ゾーレン・レガスピ
　　　 エドガー・マンデ
　　　 ブランド・レガスピ
　　　 ディンキー・ドゥー・ジュニア
　　　 エース・マナラン
　　　 マイキー・マカパガル・アロヨ
　ロニー・リケッツがヴィーナ・モラレスを相手役に迎えてのアクション映画。自らを神父にすることで変化球的な面白さを狙っている。
　よくわからないままに誘拐中の冒頭からくくりつけられた柱を十字架のように背負って敵をけちらし、救出後の取材陣にヴィーナ演じるレポーターが現われ、かつて二人が恋人同士だったとの設定。ロニーにはダニー・リエルとルシタ・ソリアノ演じる両親がいたが、その正義感ゆえに警察官の父が悪党に射殺された過去を持っている。
　ゾーレン・レガスピ演じる犯罪グループのボスがヴィーナにホレていて、ヴィーナはゾーレンの正体に気づいていない。それでエース・マナランとマイキー・マカパガル・アロヨ演じる警察から捜査協力を依頼され、ロニーとともどもゾーレン一味に捕まるハメに。結局、うまく退治するだけの話で、とくにどうってことない。
　途中、ロニーがコーチをつとめるバスケット・ボールのティームがあって、障害者の選手までまじっているのは興味深いながら、その練習や試合の様子を挿入するも、ヴァリエーションで内容をふくらませるエピソードに足りず。ヴィーナがマイキーの元へ連れてこられるとき、いっけん誘拐ふうにみせるのは、ありきたりなこけおどし。ロニーとヴィーナが縛られたロープをライターで切るサスペンスは、熱くて落としそうになるショットを欠き、さっぱり盛りあがらないまま。ラストでジェーゴ・サルヴァドル演じるヴィーナの婚約者がアメリカから帰国し、ロニーが結婚式をあげる複雑な心境は、ヴィーナの「フィアンセがいる」との台詞でしか伏線を張っていないため、せっかくの皮肉を生かせずじまい。
　などの不満ばかりが目だってくる。イマイチのできだと指摘せざるをえない。
　さて、ヴィーナの魅力はどうかだが、本を執筆するインテリの反面、トレーニングに励む強い女を意識のキャラクターで、ジムにおけるボクシング、ビーチでロニーに挑戦するボクシングでトレーニング・ウェアやジャージ姿が色っぽい。でもジーンズで活躍の際、あまり下半身にフィットしていなかったり、雨の中で濡れるも、シャツが貼りつかず、そそらないのが残念。セクシーさ不発である。
　ヴィーナの友人を演じるカラ・マルサンのほうが、まだジムでバーベルを持ちあげる運動のとき、トレーニング・ウェアが食いこみ、生ツバをゴクンと飲ませるくらい。ただしビーチ・ヴァレーを繰り広げるも、水着じゃなくて短パンなのに、こちらも挑発度が低い。
　あとゾーレンに頼まれてロニーの部屋へ忍びこみ、犯されたフリをする女性を演じるアキ・サバルテ（アキ・アラヴィリアルと表記されている）がカワイイも、肌の露出なし。ゾーレン一味に始末される政治家の妻役が、ちょっと引きつける容貌だった。