“ＡＮＧ　ＢＡＢＡＩＮＧ　ＨＩＮＵＧＯＴ　ＳＡ　ＡＫＩＮＧ　ＴＡＤＹＡＮＧ”
（私を骨抜きにする女）
　
81年：アマサルディー・フィルム・プロダクションズ
監督：カルロ・Ｊ・カパラス
主演：エディー・ロドリゲス
　　　 ヴィヴィアン・ヴェレス
　　　 エルニー・ガルシア
　　　 スーザン・ヴァルデス
　　　 ドンドン・ナカル
　　　 ルビー・アンナ
　　　 エース・ヴェルヘル
　　　 エフレン・レイエス・ジュニア
　　　 ロドルフォ・“ボーイ”・ガルシア
　　　 ルシタ・ソリアノ
　　　 シタデル・カパラス
　　　 フレディー・ランス
　　　 ペルラ・バウティスタ
　カルロ・Ｊ・カパラスがコミクスに連載の原作を自ら脚色で演出。マリアン・リヴェラとディンドン・ダンテスの主演で話題となった同名のＴＶシリーズ『ＡＮＧ　ＢＡＢＡＥＮＧ　ＨＩＮＵＧＯＴ　ＳＡ　ＡＫＩＮＧ　ＴＡＤＹＡＮＧ』のオリジナルとして再脚光を浴びたが、個人的には80年代でもっとも大好きなセクシー女優であるヴィヴィアン・ヴェレスのヒロインに引かれる。
　ミステリアスな女性のプロセルフィナ（ヴィヴィアン）に建設会社の社長で、生まじめなホメル（エディー・ロドリゲス）が振りまわされる話になり、プロセルフィナの父（トニー・カレオン）が幼いプロセルフィナ（シタデル・カパラス）を偏愛し、大きくなっても男から遠ざけようとデートのジャマをするため、ついにプロセルフィナが反発。これがトラウマで殺人の性癖がついたとは、いささか単細胞な設定だし、ホメルの会社を脅すラド（エルニー・ガルシア）がリーダーのビルの爆破犯グループにプロセルフィナがら致される構成もイマイチいただけない。家出のプロセルフィナを死亡あつかいで父が墓までつくり、プロセルフィナが家を飛びだすときの事故が原因で車椅子生活となった母（ペルラ・バウティスタ）が事情をホメルに説明はよいにして、プロセルフィナの殺意を血にみたてた赤いインクのしたたりで暗示など、チンプな表現が目だつ。プロセルフィナがいつも裸足でうろつき、服が臭うのをホメル宅のお手伝いのベバン（オデット・カーン）の反応で強調し、消えていたプロセルフィナが帰ってきて、寝ている間に足をホメルがふいてあげるやさしさや、ホメルを慕う秘書のプリシーリア（スーザン・ヴァルデス）のゆれる心理は、そこそこに描けている。ホメルの取り引き相手だったデルガド（エース・ヴェルヘル）をプロセルフィナが刺殺で、犯人の似顔絵作成の過程、プロセルフィナを探してホメルがうろつくネオン街のバーなど、興味深い部分を含む。前にディスコでナンパされた男のボビー（エフレン・レイエス・ジュニア）とはちあわせで「警察へいこう」とつかまれ、ナイフで刺して振りきったプロセルフィナがタクシーを乗っとり、ホメルの会社へきてみれば、ちょうどいなくなっていたプリシーリアがホメルのもとへ戻ったときで、またプリシーリアが去ろうすると追っ手の警察にプロセルフィナの居場所を聞かれ、ホメルを心配で危険を知らせにいくクライマックスのタイミングはご都合主義ながら、そこそこに盛りあがるけれど、プロセルフィナが爆弾犯たちを刺殺していくバカバカしさなど、いかんともしがたい。
　とにかくヴィヴィアンのセクシーさがどうかは、拍手にあたいする。ホメルが朝に起きてみれば、どこから忍びこんだのか、ベッドの横で熟睡において、ジーンズの腰のくびれと、シャツにのぞくバストの谷間がスケベな意識を引きつけ、シャワーへ入るとシャツを脱ぎ、ヴィヴィアンの擦りガラスごしの全裸がみえる。素っ裸のままソファにすわってブランデーを飲むかっこうはオッパイが隠れ、あとのホメルとの三回のベッドや、バイクに乗る男とのベッド、バイクの男とボビーのケンカをくわえタバコでながめるベッド、わざと車からのナンパをうけ、複数にまわされるも、財布のカネを抜くベッドと、すべてオッパイが隠れるも、ホメルの時計を盗むときと、財布のカネを抜くときはスリップだし、ホメル宅の二階から木をつたって降りるジーンズ姿のプロポーションが素晴らしい。バイク男を誘惑のパンチラは太腿だけだが、爆弾犯のグループを刺しまくる際のＹシャツ一枚が色っぽく、激しい動きでＹシャツがまくれあがり、パンティーが丸だしになる。ラストの屋上から転落もスカートがまくれ、パンティーがお尻にくいこんだところでストップ・モーション。と下着が刺激的にくわえ、水着が興奮をくれる。デルガド宅にプロセルフィナがいたのでホメルが驚いたあと、ガウンを脱いでプールへ。柵をまたぐポーズで紐ビキニのお尻がドアップに迫り、濡れたボディーでプール・サイドへあがれば、ビキニのままプールの中でボビーを切りつける。ホメルとビーチでデートでも、バルサに寝転がり、砂からガバッとでたりで違ったタイプのビキニがゾクゾクなのに、やや遠いながら、爆弾犯たちの誘拐もビーチなので、きわどいビキニで暴れまくる。ホメルのエッチな幻想において、ジャングルや滝の池で全裸っぽいも、かなり遠景すぎるのや、葉っぱでオッパイをみえなくするのが惜しいかな。
　スーザン・ヴァルデスはホメルと一線をこえるシーンでメガネをはずし、かわいいとうかがわせたあと、脱ぐ前に終了が残念になる。爆弾犯には女性のメンバーのシーナがいて、演じるルビー・アンナがホメルを脅迫のときに黒いレザーのパンツをはいているので、実においしそう。ルシタ・ソリアノの名前がクレジットに読めるが、ボディコンでディスコからでてくるのみの小さな役にとどまる。あとホメルの会社の外になぜかビキニのモデルたちが四名、なにをしているのか不明だが、ホメルの気がつかないうちにプリシーリアがブラインドを閉めるシーンで、ひとりが立って歩き、ヒップの切れあがったスタイルに視線を奪われる。
　いずれにしてもヴィヴィアンに悩殺の一編だった。