ＡＮＡＫ　ＮＧ　ＹＡＫＵＺＡ
（ヤクザの子）
　
97年：レオ・フィルムズ
監督：エスメラルド・サントス、リコ・タリマン
主演：グライデル・メルカド
　　　 フランコ・ゲレロ
　　　 ジーン・サブリッツ
　　　 レイ・“ＰＪ”・アベリアーナ
　　　 パトリック・デラ・ロサ
　　　 ジェス・サンチェス
　　　 アドニス・ラクサマナ
　　　 マリテス・サムソン
　　　 ジェム・カスティーリオ
　マニラのネオン街の映像が次々と映しだされ、画面に「ＴＯＫＹＯ　ＪＡＰＡＮ」とのクレジットが入る。ウソこけ、このうちの何店かは現地で行ったことがあるぞと思うも、それだけマニラの観光客エリアには日本語の看板が氾濫している証拠だろう。
　個人的に日本の大衆音楽はすごく弱い分野なので具体的な題名はわからないのだが、テレサ・テンと推測される歌声が二曲続く中、フランコ・ゲレロ演じるタカハシと名のる日本人がジーン・サブリッツ演じるフィリピン女性に睡眠薬を混ぜた酒を飲ませる。フランコはまったく日本人にみえず、相変わらず強引な配役にあきれるも、妙な日本語を話すようでいて、ほとんど英語で会話するからあきれ笑いが起きるのを抑える。もちろん「こにちわ」「バッキャロー」との言葉はあとで聞かれるし、ジーンはフランコを「シャチョー」と呼んでいるが…　オッと、ジーンが脱がされるんだとの期待がわきあがり、もうカッカ鼻息が荒く興奮を呼ぶや、服を着たままセックスになってムムム…
　ジーンが置き手紙を残してマニラへ帰り、メイン・ストーリーへ。
　妊娠しているのにジーンはタバコを吸っていて、そりゃ、ロクな子が生まれないぞ、といいたくなる。
　マリテス・サムソンとレオ・ラサロ演じる友人夫妻に女の赤ちゃんをあずけ、ジーンはジェス・サンチェス演じる警官と結婚。ジェスを自宅のベッドでマッサージするシーンでせめて下着姿くらい披露してよと願うと、再び挑発だけで、ああ、熟女のヌードをおがみたかったなあ…
　なんてことはさておき、グラディス・メエ・サントス演じる少女が大きく成長してグライデル・メルカドが演じるようになり、すべてがパターンというか、ほとんどお決まりの展開。レオがグライデルに性欲をもよおし、レイプしようとしたためにグライデルが家出。バーのダンサーという水商売へと落ちていき、いつしか刺青を彫る。バーの経営者のボスが日本のヤクザで、あまりにも予想どおりにフランコが再登場。自分の娘とも知らずにフランコがグライデルのボディーに目をつけ…　との流れで、とくに注目すべき要素はみあたらない。レオがグライデルの水浴びをのぞくとき、ブラをはずしてトップレス。石鹸で洗い始めると、パンティーを脱いで全裸。まだ肝心の部分は隠れたままだが、やっぱり興味の焦点はグライデルのセクシーさを堪能する狙いしかないなとわかる。
　その前にジェム・カスティーリオ演じるダンサーの黒いビキニ下着によるステージが繰り広げられ、お尻を突きだすポーズにドキドキ。ブラからは左の乳房に刺青がうかがえるだけでなく、背中の下のあたりにも刺青があり、肌を汚すと極端にフェロモンを感じなくなる趣味のものとしては、げっそり。もーう、刺激的なスタイルによるダンスなのにと嘆くも、ヤクザの情婦役だからしょうがないか。楽屋ではＧ．Ｒ．Ｏ．が一人、刺青のお尻をみせながらボディコンの衣装にくるんでいくし、レイ・“ＰＪ”・アベリアーナ演じるバーのマネージャーがジェムのボーイ・フレンドなのに、もう一人のＧ．Ｒ．Ｏ．を口説き、スカートをめくりあげてパンティーへ手を突っこむと、刺青のお尻がバッチリ。あとでパトリック・デラ・ロサ演じる地元ヤクザのリーダーの愛人はプール・サイドでパトリックと愛撫し合い、花柄ビキニのブラでパイズリのうえ、片脚をパトリックの上にあげて寝ころぶポーズでパンティーを食いこませ、ヒップラインのアップがでてくるから、どうやらお尻を楽しむ内容のようだ。ちなみにイダ・レイエスとリオ・クエンカとの女優名がクレジットに読め、二人のＧ．Ｒ．Ｏ．と、パトリックの愛人と、バーのリーダー的女性の四名のうち、誰と誰にあたるか不明。
　グライデルのステージは二回描かれ、最初はヒダヒダのミニスカのようなものをはいていて、黒いパンティーがみえづらく、ブラも大きめなのが惜しい。二回目はエナメルの光沢ビキニという、ウハウハに好きなタイプで、なまめかしくお尻をフリフリ。衣装をチェンジするとピカピカ素材のハイレグが、さらにおいしいそうなデザイン。お尻に食いこむ小さなパンティーで、どーだといわんばかりに手前へ迫るようにかがむも、刺青が入ったあとだけに、満足度が減点で残念。両ステージの間には刺青を彫るシーンが挿入され、黒いパンティーから半ケツで寝ていてよだれを誘う。完成してパンティーをまくられると、お尻が丸だしでウウウ…　ホント、お尻を楽しむ作品だなあ。
　アドニス・ラクサマナ演じる青年がグライデルにホれ、フロレンス・エスカリエセス演じるグライデルのバイト仲間からグライデルが辞めたことを聞き、水商売となった事実を知っても愛するのだが、二人のビーチにおけるデートでグライデルは黒いビキニ水着。浮き輪からあがるときに濡れたパンティーがピタッと貼りつき、みごとなお尻のフォームをつくる。水着のままテーブルの上へ座ると、さらにパンティーがお尻の形を鮮やかにし、キャー、ステキー。ホテルのベッドでビキニのまま愛撫へと進み、アドニスがパンティーを脱がそうとするのをグライデルが抵抗。アドニスがグライデルの手をとってチンポを握らせ、オナニーでイッたあとにグライデルを全裸にむくと、ギリギリにオッパイがみえないまま。ベッドに腰かけた全裸のうしろ姿のほうが、まだ刺青もないだけにそそる。ジェムは全身にピタピタの黄色いボディー・スーツを着たり、二度目のステージで黒いビキニのヒップラインをキリッと眼前に。もーう、まったくお尻の魅力は尽きない。
　フランコが日本からやってきて、プール・サイドでグライデルとジェムが紹介されるシーンでも、並んで立つ二人をうしろからとらえたショットでの黒いビキニのグライデルと薄紫ビキニのジェムのお尻がキュート。さすがにここはフランコの視線でグライデルのボディーを上から下へ、下から上へとなめるように撮ったウルトラ・ハイレグの正面が圧倒的なパワーを放つかな。
　アドニスがジェスの息子で、グライデルと義理の兄妹だったという偶然を多用しすぎるなど、筋の運びはツメにいたるまでイマイチで、グライデルがフランコを撃つドラマは運命を表現するに足りず、ヤクザの子との設定を活用しきれないうちにエンド。結局、グライデルのハダカがすべてだったようだ。
　せっかくのお尻モロだしで刺青さえなければ、百％悩殺間違いなかったのに…
　拍手喝采だけど、ちょっと不満。
　なお、ヤクザから家畜のごとく拷問を受ける女たちを演じたジゼル・ゴメス、キム・マルティネス、マイリーン・アブリゴ、ロサンナ・パディーリアも全員が半裸ながら、顔が隠れていて、実はみないうちが華かも。