ＡＭＡＳＯＮＡ　　ＫＵＭＡＫＡＳＡ…　ＰＵＭＵＰＵＴＯＫ
（アマゾネス＝男のような女　銃を装てんして、戦いへ）
　
01年：リーガル・エンターテインメント
監督：マウロ・ジア・サモンテ
主演：シャルラ・トレンティノ
　　 　ジョン・レガラ
　　 　パトリック・デラ・ロサ
　　 　モン・コンフィアド
　　　 エドガー・マンデ
　　　 エディー・ブノン
　　　 カラ・クリステル
　　 　パウラ・ゴメス
　　　 ダンテ・ハヴィエール
　　　 エルニー・サラテ
　　　 ジェセッテ・プロスペロ
　　　 フレディー・ガルシア
　　　 マリッサ・ガルシア
　共産ゲリラとなった女性を主人公におくアクション映画で、シチュエーションのとりかたが面白い。ちゃんと政府のカネ持ち優遇政策へ抗議のデモがでてきて、単純にゲリラが暴徒でないあたりが理解できる。ちょっと形のゆがんだ金槌と鎌のマークを描いた、手づくりの赤旗が揚げられたりして…
　でもきちんと政治的な内容を背景にすえる作品ではない。あくまで安手のヒロイズムが繰り広げられる、Ｂ級の典型といえる。
　主人公の男まさりの女を演じるのがシャルラ・トレンティノである点に、まずスケールの小ささを感じざるをえない。かつての日本なら、二本立て興行の添えもののほうだったプログラム・ピクチャーのようなもの。
　メインでないなら小品なりの活きのよさを期待したのだが、なかなかそうは問屋が卸してくれないところ。
　またシャルラの魅力欠如の不満を述べるのが一般的な意見かもしれないが、正直なところ、彼女の場末的雰囲気は意外と気に入っている。キリッとした容貌はお世辞にもきれいといえないも、役柄にピッタリとはまっているイメージ。それに太めのボディーはダサいが、妙な色気を放つ。戦闘のトレーニングを受ける過程でのジーンズ姿によるまわし蹴りやほふく前進は、大きなお尻だなあとあきれつつ、湿った草の上に投げ倒されたあと、そのお尻のあたりのジーンズが濡れているのがムズムズとそそる。壁にスローガンの落書きをするショットでは、画面に向かってお尻を突きだすポーズをとっているから、このたっぷりのお肉をさわってみたくなる。車に乗る要人を暗殺するシーンにおいては、ミニスカで前かがみになり、お股に銃を隠しているのだが、チラリとパンティーまでのぞかせるおみ脚がまるで大根のよう。射殺に成功で逃げるときの走る姿がドテッドテッともたついて不恰好とはいえ、ドキドキさせる。逮捕でモン・コンフィアドなどが演じる軍人にセクハラを受けたり、オトリとなって警備員にボディーを愛撫される設定を含むも、最後までヌードにならないのがすごく残念だから、知らず知らずのうちに悩殺されてたんだなあと納得。
　趣味ワルー、といわれればそれまでだが…
　露出ではシャルラと恋仲になるジョン・レガラ演じる政府軍の士官の婚約者役であるパウラ・ゴメスのほうがはるかにハイ・レヴェル。ジョンがシャワーを浴びるところへ半ケツのアップから入ってきて、キスしながらの横チチで誘惑のあと、乳首をチュッチュッと吸われる。立位でセックスになって、片脚をあげたお尻からはアナルがみえそう。ジョンとケンカするときの白いスリップや、胸元の大胆な赤いスリップも刺激的だし、レザーのホット・パンツを半分おろされ、あらわになった白いパンティーの陰毛のあたりをなめられるシーンまで用意されていてウハウハなのだが、シャルラのほうに引かれるのはブスっぽいからか。
　シャルラによって人質にとられ、誤って射殺されるジョンの妹を演じるカラ・クリステルにハダカがないのは、じゃあ何のためにカラが出演したわけ、といった印象。
　ほかに配役表がないから女優名がわからないものの、獄中にいる妊娠したシャルラから告白談を聞く女性係官や、逮捕されてジョンと手錠につながられたシャルラに手榴弾を渡す女性ゲリラなど、ちょっと気になる存在。
　結局、美人という意味では全員が失格だから、イマイチな映画なわけだ。まあ、かわいい娘がでていれば満足なのか、と指摘されれば返す言葉がないが、趣味なもので…
　肝心のロマンス劇は敵同士のシャルラとジョンが愛か正義かで悩む部分がおざなりにすぎず、実に薄っぺら。ジョンがパウラに対して暴力的な描写があるから、それほど感情移入できない人物なのもつらい。マウロ・ジア・サモンテ監督がしっかり人間を把握できていないのだろう。
　死体をミンチにしてトイレに流すといった残酷さは余計と思えるし、何度かある銃撃戦の迫力不足は致命的。
　そうは問屋が卸してくれる小品からは、相当に遠かったできといわざるをえない。これでもしシャルラのヌードがあったなら…
　間違いなく納得していただろうなあ。
　スケベのバカ！