ＡＬＩＮＤＯＧ　ＮＧ　ＬＡＨＩ
（魅力的な一族）
　
97年：グッド・ハーヴェスト・プロダクションズ
監督：Ｆ・Ｃ・ガルガンティーリア
主演：リタ・マグダレナ
　　　 カルロス・モラレス
　　　 ジェット・ハヴィエール
　　　 アリッサ・アルヴァレス
　　　 マリタ・ソベル
　呪いを扱う作品ながら、ホラー要素は皆無。セクシーな魅力を盛りこんだ愛憎のドラマで、それだけに楽しめそう。
　１９５７年にマリタ・ソベル演じる女性が婚約者を捨てて、相手から子孫にまで不幸が及べとの呪いを受ける。ということは生霊だから、実際は死霊よりも陰湿だぞと感じるも、あくまで適当なフィクション。マジメに神秘学を扱う内容ではない。普通なら別の似た女優を使うところを、マリタ自身と、お付きを演じるアルマ・レルナが若づくりしていてオエーッ。
　１９９７年のパンガシナンに舞台が移り、アリッサ・アルヴァレスとリタ・マグダレナ演じる姉妹が登場し、マリタの娘かと思うも、あとで孫と判明。二人の母（マイマイ・ダヴァオ？）は浮気相手とマニラへ行こうとして、エルウィン・モンテス演じる夫に殺されている。ちなみに地元の犯罪グループがでてきて、ノノン・タルヴォが演じるボスの腹心のようにエルウィンがいるから、意味のない二役に俳優費が足らないのか、とヘンな想像をかきたてる。
　マリタは一家の女性ばかりが淫乱になるように呪われている事実に気がついているから、孫の姉妹へ必要以上に厳しく接するも、反発をくらうばかり。アリッサはジェット・ハヴィエール演じるアルマの息子と結婚しているにもかかわらず、無造作に男を求める習癖を持っていて、自分でもとめられない。たまたま連れこんだ漁夫が、翌日のダイナマイト・フィッシング漁で事故死。いわゆる自然破壊の元凶であるダイナマイト・フィッシングを社会的観点から批判しようとの意図は含まないようだ。
　カルロス・モラレス演じるマニラからやってきた男に姉妹ともがあこがれ、まずアリッサが誘惑。既に夫がいるからと、カルロスはリタと相愛関係に。アリッサは腹いせからアリエル・レイエス演じる行きずりの男に身をゆだねる。
　複雑なマリタやアルマ、ジェットの感情をにじませながら、一家が食事するときの気まずい雰囲気はよく表現している。
　カルロスはノノンの部下だったのだが、もめごとを起こして裏切ると、リタを連れて駆け落ち。カネに困ってリタに売春を頼む。なんて展開のあと、ノノンの一味につかまってリタはレイプされ、カルロスは撃たれる。リタが家へ戻ってみればマリタは重い病気で、アリッサは相変わらずアリエルとの逢い引きを続けている。嫉妬したジェットが二人の忍ぶ小屋へ火をつけて、あやうく逃げだす。
　瀕死のマリタから呪いの話を聞いた姉妹は、マリタの元婚約者を訪ねると、今は老人となった男が許しを与えて亡くなり、ほぼ同時にマリタも昇天。これで解放され、アリッサはジェットと平和な夫婦関係を築くのだから、とにかく盛りあがりに欠く釈然としない物語。まあ、筋の運びなんてどうでもよく、アリッサとリタが悩殺してくれれば文句はない。
　ところがびっくりというか、全編にやたらパンツ一丁の男が現われてゲゲゲのゲ。海岸でカルロスを姉妹が目撃するとき、姉妹はパレオでボディーを覆っているのに、カルロスはビキニの海パン一枚。カメラはボディーをなめるように撮るから、ウワー、やめてくれー。最初にマリッサがカルロスに迫ると、自分は脱がないままで、アリッサはカルロスをパンツ姿にして愛撫する。オイオイオイ。アリッサがアリエルをたらしこむと、アリエルもパンツだけのかっこうに。あとでジェットに小屋を燃やされてあわてるとき、アリエルは全裸でチンポのところへ手を当てているから、みたくないよー。ジェットがセックスを迫るのをアリッサが拒むシーンでは、ジェットのパンツ一枚に吐きそう。リタとカルロスのセックスや、リタの売春の際にも、リタの下着姿よりカルロスや相手の男のパンツ一丁のほうが目だっていて、頭が痛くなる。ノノンの部下につかまって、カルロスの目の前でリタが犯されるシーンでも、パンツ男のお尻のアップが入って、ええ加減にせー。
　Ｆ・Ｃ・ガルガンティーリア監督は安手のロマンス劇だから、女性ファンのほうが多いと判断したのだろうか…
　もちろん、アリッサとリタのきわどいショットもちゃんとでてくるから、一応は納得。海岸で戯れるときの白いワンピースや、川で洗濯しながらケンカになるシーンなど、アリッサとリタの衣装がスケないのはイマイチだが、姉妹の遊びぐせをマリタが怒るとき、海岸から戻ってきたリタのほうはやや乳首が浮かぶだけなのに、アリッサのほうはくっきり。あとでアリッサはパレオのまま水浴びしたり、ジェットの前でスカートをまくってみせたり、アリエルとのセックスでワンピースから乳首がのぞく寸前だったり、自分の淫乱さをいさめようとスリップになってロウソクをたらすＳＭもどきのシーンがあるものの、いずれもオッパイの露出にはいたっていない。アリエルとの二度目のセックスでは上半身裸だが、タオルをあてて胸をかくすし、あまりにデカパンがダサくて色気を減じる。とにかくマリタから小言をくらうシチュエーションでのスケスケ乳首にオーッ。
　リタはカルロスとのセックスでワンピースのオッパイがこぼれそうだったり、レイプで黒いパンティーをはぎとられたりするものの、ついにオッパイ丸だしがなくて、あの大胆なリタにしてはいささか意外。無理やりパンティーを脱がされても、また下にもう一枚はいているのがバレバレで、少しもハラハラしない撮りかたのヘタさにも困ってしまう。ただし夜の海岸で焚き火しながらシャブでいかれた連中の前でセクシー・ダンスを披露するシーンでは、好みの光沢素材による超ハイレグのビキニがそそるうえ、クネクネ挑発的な動きがビンビンに刺激。さすが、リタ。
　他にディスコ・パブのダンサー（メラニー・ポルヘン？）がビキニにパレオでちょっとだけ顔をみせ、なかなか美人で気になるが、オマケ程度。
　アリッサのスケ乳首とリラのハイレグ・ビキニだけがみどころだったようだ。