ＡＬＡＢＡＮＧ　ＧＩＲＬＳ
　
92年：ＶＩＶＡフィルムズ
監督：ベン・フェレオ
主演：アンドルー・Ｅ
　　　 ヘルベルト・バウティスタ
　　　 ジャンノ・ギブス
　　　 デニス・パディーリア
　　　 アンジョー・イリアーナ
　　　 ドニータ・ローズ
　　　 レア・オロサ
　　　 ピンキー・アマドール
　　　 アナ・ローセス
　　　 ルビー・ロドリゲス
　　　 ハイメ・ガルチトレナ
　　　 グロリア・ロメロ
　ベン・フェレオとアンドルー・Ｅのコンビによるコメディーで、ジャンノ・ギブス、デニス・パディーリア、ヘルベルト・バウティスタといった豪華なメンバーのキャストになっているが、おそらくみんなまだ若手であって、ビッグじゃなかったころの作品だろう。
　マニラ南部のアラバンを舞台にとり、貧しいエリアのほうに住む掃除夫がアンドルー、ジャンノ、デニス、ヘルベルトの四人組の役。エヴリン・ヴァルガスなどが演じる雇い主の娘のウルトラ四ブスにいいよられ、たくみにカネをねだったりする。一方、高級エリアのほうにある豪邸にはピンキー・アマドール演じるレディーが寄宿舎を営み、ドニータ・ローズ、アナ・ローセス、レア・オロサ、ルディー・ロドリゲス演じる良家の令嬢の四ガールズをあずかっている。メリー・タガサとジンキー・オダ演じるメイドがお世話し、メリーが厳しい性格で、コミック誌やファッション誌をとりあげる。アダルト誌も没収で男性ヌードが載っていて、思わずピンキーがときめくのが複線。アンジョー・イリアーナ演じるお雇い運転手のリムジンで学校へくるも、四ガールズがこっそり脱けだす。ピンキーが賭けビリヤードしている現場をみつけ、一緒に遊ぶのを認めさせる。たまたまアンジョーが四人組と知り合い、カネもちのふりで四ガールズの気を引いてほしいと頼む。ドン・ペポト演じるオーナーがいなくなったすきに掃除していたヨットへ四ガールズとピンキーを招き、ジョシー・タグレ演じる家主が留守の間、大きな屋敷でパーティーを開いて四人組がガールズを楽しませる。高級エリアにはもう一軒、グロリア・ロメロ演じる女主人の邸宅があって、ハイメ・ガルチトレナ、マルコ・ポロ・ガルシア、ガーリー・ボーイ・ガルシア、マイク・オーストリア演じる四バカ息子のぐうたらぶりに困っている。オデット・カーン演じる占い師を呼んで四ガールズを発見し、四バカ息子の婿にと考える。バカ息子たちがガールズにほれるも、四人組に夢中とわかり、超能力者を雇ってジャマさせたうえ、四人組を四ブスとの結婚へ追いこむ。とっさに四人組がわれに返って失敗に終わり、今度は四ガールズとピンキーを誘拐し、ポチョロ・モンテス演じる判事を買収でバカ息子とガールズの結婚を仕組む。当然、四人組が救出に向かう。
　美人のドニータ、アナ、レアのみならず、太ったブスのルビーまでしっかりハッピー・エンドが愉快。しかも四対四で結ばれるのではなく、やや年齢の高いピンキーを含め、アンドルーとアナ、ジャンノとドニータ、デニスとピンキー、ヘルベルトとルディー、アンジョーとレアとの組み合わせが喜劇ゆえのご都合主義といえる。
　細かいギャグの応酬にあって、それほど洗練されず、粗削りなのが不満な点。でも崖っぷちでゆれていた四人組の家がトラックの上へ落下し、道路を運ばれているのに気がつかず、寝ぼけた四人が立ちションしたり、パンツ一丁で水浴びをするシーンでは、ゲリラ撮影のようで、見物人たちがのぞいているのをそのまま撮っていて驚かせる。ドンがヨットへ戻ってきて、ジャンノが亡くなった妻に女装し、誘惑で時間稼ぎはジャンノ得意の変装芸。ＢＧＭに『ある愛の詩』はどんなものかといぶかるが、ほかにマイケル・ジャクスンなど規制曲を使うも、ちゃんとオリジナルによるミュージカル的な構成を数ヶ所につくる。アンドルーの主題歌は有名なロック（すみません、曲名が思いだせない）を下地においている。四人組と四ブスの結婚式に葬送行進曲を流すセンスはまずまず。四バカ息子がジョシ・イスラ演じる執事にオシッコまで手伝えとチンポをつかませるあたり、女性相手にならともかく、というか個人的にはよくカノジョにしてもらっているが、男にだと気持ち悪い。四ブスが三角錐の枠をかぶるのは、ピラミッド・パワーのブームの影響だろうか。脇にユニークなキャラが登場し、ジョシー宅のベヴァリー・サルヴィエホ演じるメイドがジョシーの外出直後に守衛と発情で燃えたり、四ガールズのかよう学校のデクスター・ドリア演じる尼僧の校長が、レアのおみ脚をおがんで発作を起こした理事にマウス・トゥ・マウスの人工呼吸で笑わせる。
　もちろんクライマックスにはベン・フェレオ恒例のアクション映画顔負けともいえるスタントを盛りこむのが、相当なるパワー。クン・フーや剣術のみならず、竹ざおでの空中移動でボキッと折れて落下など、明らかにジャッキー・チェンを意識したもの。走るバスでの格闘は命がけがよくわかる。さり気なく残酷描写があってあきれるも、とにかくエネルギッシュさに圧倒される。ただし、いささか長く感じるテンポの乱れがジャッキー・チェンのレヴェルに達しない部分かもしれない。
　なんといってもウハウハは四ガールズとピンキーのセクシーさに尽きる。ネグリジェからシャワーをかけられたり、マリリン・モンローふうにスカートがまくれてデカパンがみえたり、ワンピースにパレオの水着になるルビーはさておき、まずはベッドから起きあがるとき、学校の二階から窓づたいに降りるとき、四バカ息子との格闘でスカートが裂けるときにのぞくレアの太腿が視線を奪う。ビリヤードの際や、アンドルーのイメージによるアラビアン・ダンスでのピンキーの太腿も素晴らしい。とくに魅せてくれるのはやはりレアで、朝のシャワーはバス・タオルを巻いているも、モンローふうのスカートのまくれあがりでパンティーがバッチリ。アンドルーのアラビアの王子になった幻想における踊りは音楽が日本的で違和感を伴うながら、青いハイレグのパンティーがそそり、アンドルーの顔に押しつけるお尻のアップに興奮が高まる。ハイライトのビーチでは紫のツー・ピースを着たブラの胸元がプラプラ動き、うしろ姿でヒップの形がバツグンなのもわかる。ピンキーは三角ブラのバストがタプンタプンと上下運動にいっそうの刺激をくれるも、ボトムにお尻ギリギリの短いパレオをつけているのが惜しい。まあ、大好きなピンキーの水着姿だけでも満足だが…　ドニータの緑のワンピースがさらに歓喜を呼ぶ。ボディーにフィットしてプロポーションが浮きぼりなうえ、ハイレグの股間とヒップラインにうっとり。ファンのドニータに拍手喝采を惜しまない。意外にもアナがワンピースにパレオの露出にとどまっている。
　あとミア・モラン演じるメイドが洗車中のアンジョーを挑発で白衣に水をかけて濡らし、太太腿をさらす。四バカ息子がランチキ騒ぎにつれてくる女たちを演じるメンバーにダイアナ・ラクソン、ヴィオリー・ゴジョラ、マルー・ゴジョラのほか、アマンダ・アモーレスの顔がみえる。