ＡＧＯＳ
（水の流れ）
　
05年：エル・ニーニョ・フィルムズ
監督：セザール・ＳＢ・アベーリア
主演：カト・デ・サントス
　　　 ヴィア・ヴェロソ
　　　 シャンハイ
　　　 リザ・ロッシーニ
　　　 クラーク・コンセプション
　　　 ダン・デ・ジョス
　　　 レーヴェン・ラクソン
　カト・デ・サントスのオッパイがこれでもかとテンコ盛りの作品で、内容のくだらなさを陵駕する。
　カトとシャンハイが夫婦を演じ、経済的によりよい生活を求めてシャンハイがバギオに仕事をみつけ、単身赴任へ。ヴィア・ヴェロソ演じる女医の家に間借りするや、リザ・ロッシーニ演じるバーで働く女性も住んでいる。酔ったリザの誘惑でシャンハイがセックスし、これをみたヴィアが夫を亡くして欲求不満ぎみのためにほてる。すぐに今度はヴィアがアタックをかけ、シャンハイを愛人状態におく。一方のカトは妊娠が陰性だったのを嘆き、グレース・バリリア演じる友人と過ごすことで寂しさをまぎらわせる。グレースがレーヴェン・ラクソン演じるツバメのいる男のストリップ・バーへ連れていくと、そこで酔ったカトがクラーク・コンセプション演じるダンサーに抱かれるが、正気に戻っておいだす。後悔でいったん帰宅したシャンハイにあやまちをわびて、シャンハイもヴィアを拒むようになる。カトがヴィアの家を訪ね、二人でマニラへ帰ることに決めるや、ヴィアが「妊娠した」という。カトとケンカになり、ヴィアが親戚の暮らすアメリカへ逃げる。カトとシャンハイがバギオに家を買い、幸福な日々をおくっていると、マリア・レニー・バリリア演じる娘を連れたヴィアがやってくる。過去の反省をシャンハイが受け入れ、娘に父を紹介する。カトとも和解で、めでたし、めでたし。
　男のストリップを嫌がっていたカトがだんだんと目を輝かせたり、テーブルの下で脚をけってヴィアがシャンハイにちょっかいをかけたり、ヤケ酒を飲むヴィアにリザがからんだり、実にありきたりな表現の積みかさねが目だつ。マリア・レニーが五歳くらいなのに、ヴィアはそんなに長くアメリカにいたの、との疑問が起きて、時間の経過もチグハグ。バギオの観光要素を加えるあたりも余計で、安手の印象を強く与える。“フィーリン”“アーロン・アゲイン”“ラヴィン・ユー”『カサブランカ』の“時の過ぎ行くまま”『愛と青春の旅立ち』の“アップ・ウェアー・ウィー・ビロング”などのインストゥルメンタルや『避暑地の出来事』の“夏の日の恋”『ミッション』といった既製曲をやたら使うのも同様。セックス・シーンで手前に小道具を置いて肝心のところを隠す撮りかたのヘタさもあり、セザール・ＳＢ・アベーリアはホントに進歩しないなあ、とあきれるばかり。
　でもカトのオッパイがすべてを許しに変える。シャンハイと別居前のセックス、クラークとのセックスになりそうなベッド、クラークに抱かれて気持ち悪いと体を洗うシャワー、クラークとのことを話したあとのシャンハイとのセックス、ヴィアの家を訪ねてのシャンハイとのセックス、夫婦でバギオへ引っ越してのシャンハイとのセックス、といずれにおいても形のよいオッパイが迫ってくる。とくにクラークに黒いシャツとジーンズを脱がされてパンティー一枚になるときと、お尻も丸だしの素っ裸のシャワー（同年制作のセザール監督作『ＭＧＡ　ＫＡＬＡＰＡＴＩ　ＳＡ　ＧＡＢＩ』のシャワー・ショットと同じで、どらかが流用か、最初から兼用で撮影したのか、明らかに手抜きだが…）、短パンでトップレスの乳房アップには興奮を抑えきれない。家の修繕ではしごに登ってペンキを塗るのを斜め下からとらえてパンティーをのぞきこむアングルなどのフェッチっぽさはイマイチでも、ネグリジェ姿や、一人寝のベッドでのスリップ姿がそそり、スリップにはみでるパンティーがオマンコのあたりに食いこんでいるのに視線釘づけ。
　ヴィアは太めになったが、ほてったボディーをさますシャワーでカーテンの先に横向きの全裸を半分だし、オッパイのみか、陰毛をチラつかせる。シャンハイとのセックスは二度あって、ともにオッパイを全開にさらす。パンティー一枚でシャンハイを求めるシーンもセクシーなものの、パンティーのデザインがダサイのが惜しい。リザはハイレグの紐パンティー一枚になるショットがゾクゾクと刺激をくれるうえ、騎乗位でのセックスでカトに負けない美乳とわかる。グレースは年増だけど美人っぽいので、熟女の色気がほしかったところ。
　いずれにしてもたっぷりカトのオッパイに酔えて、ストーリーなんかどこへやら。カトに拍手を惜しまない。